Faculty Development (FD)ワークショップ
大学の最も重要な使命である学生教育であることは言うまでもないのですが、医学系や医療系など専門性が高く、実務に関する教育が多い所では、学士課程教育や学士力についてどう考えますか、と問われると、正直なところ戸惑う場合があります。とは言っても、教育力アップにはFDを避けては通れません。FDとは大学の教員たちの教育能力を高めるための取り組みとして定着している言葉で、我々も開学前からワークショップを行って取り組んできました。今回は立命館大学の教育開発支援センター長の安岡高志教授に講演をお願いし、その後にグループ討議を行うというものでした。安岡先生は東海大学から立命館大学に移られたのですが、もともとは化学。がご専門で今は大学教について情熱とともにユニークな発想で活躍されておられる方です。講演のタイトルは、PDCDというものでした。PDCAとは、Plan, Do, Check, Actionのことです。
ここで全部を紹介するつもりはないのですが、自分なりに認識を改め、頭の切り替えをしないといけないと思ったことについて書かせてもらいます。まずは、お恥ずかしいことすが、08年の中の答申の復習をさせてもらいました。単位制とは何か、学修の評価とは、そして自己点検評価とは何かでありました。実は、今年度後期に教員の授業評価(学生からと教員同士ですが)をやっと始めました。まだ結果は見るまで至っていませんが、大変役に立ったと思います。良い授業を展開する10カ条や、逆にあってはならない授業10カ条もでました。年齢が高くなると見られる悪い傾向などは身につまされました。理解できない言葉が多くなる、同じことの繰り返し、質問しにくい雰囲気、などです。4月からの講義で注意しないといけません。
次は、単位制では試験の占める割合30%までであることの再認識です。自分の昔話になりますが、授業はいい加減に出ておいて、後は試験で頑張ればいい、という時代でした。それは今通用しないので、毎回の授業が大事で、学生は15回の授業でシラバスに書かれていることが達成されねばならない、ということです。そういう意味で授業の準備から評価まで、教員は本当に大変です。優れた教育をしている教員の評価をしないといけないでしょう。次の課題です。
最後はPDCAサイクルですが、その前に自己点検・評価、について紹介します。これは大学が課せられている大事な責務であり、学長がその委員長であります。いくつかのワーキングで作業を進め、このFD活動も佐藤副学長のもとでの進められているものです。しかし、自己点検・評価への認識は、自分自身でもこれまでやや漠とした所があり、もやもやしていたのですが、村岡先生の講演で頭の整理が出来ました。即ち、自己点検・評価は目標を本学の目標を達成するための手法であり、それを機能させるのがPDCAサイクルである、ということです。このワークショップの冒頭で、本学の教育目標には大事な4本柱があり、それを踏まえて今日は皆さん考えて下さい、と言いしたが、これまでそれを達成させるための具体的な目標の設定に欠けていたようで、大いに反省した次第です。
村岡先生のメッセージは、FDとは教員が授業内容、方法を改善し向上させるための組織的な取り組み、という固いことより、スターバックスやいろんな裏話が沢山あり面白く聞かせてもらいました。教員には、このワークショップを一つのイベントとしてはいけませんよ、と冒頭申し上げたのですが、明日からの授業にフィードバックしてもらいたいと思っています。


| ポーアイ便り::その他 | 08:53 | comments (x) | trackback (x) |
民主党副幹事長と面談
  年度末になって学内外の用事が増えて学長ブログが少し疎かになっていました。今週は専門医制度の全体会議と人工心臓のデバイスラグの件で東京日帰り出張が続きました。後者について、昨日民主党へやっと要望書が渡せたので書かせてもらいます。補助人工心臓のデバイスラグについては、先に書かせてもらい、昨年11月に読売新聞の論点にも投稿させてもらいました。その後の国へのアプローチについては政府への陳情になるわけで、そうすると民主党幹事長が窓口になったということで、なかなか進んでいませんでした。やっと民主党の某議員にお願いして、昨日要望書を届ける段取りになったわけです。
小沢幹事長あての要望書に書き直して持って行きましたが、対応は副幹事長がするということで、厚生労働関係を扱っておられる青木愛副幹事長(衆議院議員)に面談ができました。東京大学の許教授と東京医科歯科大の磯部教授の3名で出向きました。10時15分から15分ということで、私は神戸空港の朝一番の便で出かけました。青木議員は先の衆議院選挙で民主党が大勝した時に東京で当選され、マスコミでよく出ておられた方です。人工心臓やデバイスラグのことは短時間で説明は難しいのですが、資料を見てもらいながら、何とか概要の御理解を得たと思っています。
要望は二点に絞り、補助人工心臓の許認可にかかわる手続きの迅速化であり、もう一つは認可された新しいデバイス(ここでは補助人工心臓)の適切な保険償還であります。HeartMate XVEという大型で電気駆動の埋め込み型人工心臓がこの1月にやっと輸入承認が得られたのですが、実はここまで来るのに治験申請から8年以上たっているのです。しかも、輸入承認された機種は米国ではもう峠を超えているものであり、時代はその先を走っているのです。1994年に保険償還されたNovacorと同じ轍を踏むのではと心配しています。即ち、8年近く掛かって認可してもそれは世界では旧式になっていて、殆ど売れないまま日本から撤退というNovacorの先例があるからです。HeartMateはそこまで旧式ではないのですが、保険償還でいうと旧式のものになり実情のそぐわないことから、保険償還(健康保険でどう支払うか)で何らかの改善を要望しました。これは、この秋位から登場する新型デバイス(小型)にも影響する問題であると説明しました。
この民主党幹事長への要望でことはすぐ進む訳ではなく、これからは学会関係者の頑張りが要ることになります。デバイスラグは医薬品総合機構が前向きに対応しつつあり、また保険所償還では2年ごとの改定がこの間済んだところであり、両者とも簡単に事は運ばないでしょうが、それでも民主党副幹事長まで話が進んだことは大きなことです。
この仕事は、日本胸部外科学会理事長時代に始まった厚労省との交渉であり、埋め込み型補助心臓の導入にも最初から関わってきたこともあり、もう一息頑張らないといけないのですが、大学も学生募集や大学院申請で大変な中、学内の皆さんに理解をお願いしています。学長が元気に内外で活動していることも大事かと勝手に思っております。

| ポーアイ便り::医療問題 | 13:04 | comments (x) | trackback (x) |
ヴァンクーヴァーオリンピックも終わりに
  カナダヴァンクーヴァーで開催されていた冬季オリンピックも幕を閉じようとしている。お家芸のジャンプでもなかなかメダルが取れないなかで、フィギャースケートは男女ともよく頑張って、浅田の銀、高橋の銅はすごいことである。本人も国民も感動のメダルである。スピードスケート男子500メーターは2、3位と凄かったが最後にもう一つ感動が残されていた。女子団体パシュートという3人ひと組で約3000メータを走って3人目のタイムで争われるものである。前回トリノで採用され、日本は4位であったが、今回は3人よくまとまってほぼ手中に入れた金がわずかの数センチ差で逃げて行った。朝早く頑張って起きてTVに見入ってが、最後の1周で長距離王国のドイツに僅差で敗れた。でもあの体格差のなかで、小柄の日本女子はよくやったと思うし、日本の伝統あるスピードスケートであるから次回は金を取ってきて欲しい。
  期待していたアルペンはがらメルなしで、欧米との差をみせつけられた感じである。男子スラロームしか参加していないが、佐々木と皆川の健闘に注目していた。一か八かの勝負に出ないとメダルはないことから、多くの優勝候補とともに皆川は途中棄権。佐々木は二本目は慎重になったのか、本人も不本意な結果であった。ワールドカップの連戦を見ても日本選手の表彰台はなかなか厳しく、1956年の銀メダリスト、猪谷千春以来の表彰台はまた先になった。
  さて、学生時代はスキー部にいたせいもあり、冬季オリンピックはいつも楽しみである。日本は成績ではスケートでお隣の韓国に大きな差をあけられ、スキーでも欧米に歯が立たない。スキーはかってのトニーザイラー人気の時代と違って、日本ではいまや人気の少ないスポーツである。スキー場も土日でもリフトに列を作ることは少なく、平日は閑古鳥が鳴いている。地元では子供のスキー競技への参加者も結構いるが、なにせ年中できる競技ではない。北海道では有望な子供はジャンプに行かせられるらしい。なにせ、子どものスポーツへの関心はサッカーであり野球である。佐々木や皆川の頑張り、上村愛子の悔しい4位でスキー人気が上がればと感じるが。会場ウイスラーには以前5月の連休時期に一度行ったことがあるが、隣のブラッコムとの間を山頂どうしで一気に結ぶロープウイエイができているらしく、何時か再訪したいということで今回は閉めておく。

| ポーアイ便り | 21:58 | comments (x) | trackback (0) |
参議院会館で
   先日、東京永田町の参議院会館会議室で、臓器移植法改正後の体制整備状況報告会なるものが開かれた。日本移植学会が主催で、昨年6月から7月にかけての衆議院および参議院で、移植待機の患者さんや関連学会が要望したA案が成立したことに対して、ご尽力を頂いた国会議員の先生方に新しい法律に対応するべく学会関係者がどう準備を進めているのか説明し、また助言を頂こうということで企画された。
   最初の臓器移植法の提案者で、今回の改正でもA案を出していただいた中山太郎先生はじめ丁度予算員会で党首討論が行われているなかで現職の河野太郎議員、梅村聡議員や福島豊前議員、その他多数のこれまでご尽力いただいた国会の先生方にご出席頂いた。中山先生や何人かの先生からA案成立までの苦労話や裏話が紹介された。中山先生は、河野太郎先生が始めA案に反対をされて困ったという話や、参議院での成立の影の功労者でもある梅村議員の、当日の緊迫した雰囲気も聞かせていただいた。移植学会側は寺岡理事長始め、川島康生先生、小崎正巳先生、法改正で頑張った現役の高原、福島、相川、許、各先生、そして患者さん団体からは大久保氏はじめいつもの顔が並んだ。その外、肝臓の田中紘一先生、心臓では私や国立循環器病の中谷先生などである。
   体制整備の準備状況は阪大福島先生が、厚労省厚生新議会専門委員会の審議状況は大久保氏が説明し、その前後での議員の方々のコメントや要望は多彩であったが、次に集約されていた。皆さん異口同音に、法律は変わったがそれはやっと本来の扉が開かれ、スタートラインに立った、のであって、移植関係者はこれから社会の期待に答え、患者さんのための移植医療を進め、そして信頼を損なわないよう、頑張ってほしいという声であった。国会側としては予算面で支援し、また今後とも各議員の先生方が応援をするという温かいメッセージであった。
また、小児はじめ遅れている救急医療の整備や移植コーディネーターの充実。遺族のグリーフケア、など本来整備されているべき課題の解決のきっかけにしながら移植医療を進めることが大事であることが移植側だけでなく議員の方々からも重要という認識であった。そのほか、脳死を人の死とするのは臓器移植に限るのか、コーディネーターをどう増やすのか、提供の家族の同意での家族とはどこまでをいうのか、家族の総意とは、移植は最終医療なのか、医師側のオートのミーを、などの意見が出された。マスコミの方々も来られていたが、カード無しで、あるいは小児からの臓器提供の最初のケースではマスコミの過剰な反応があるのではと危惧する意見もあった。いい方向でのマスコミの取り上げ方を期待しているが、まさに13年前の元の法律制定時の状況にそっくりであると思ったのは私一人ではなかったであろう。
   最後に移植側の意見もということで私も一言発言させてももらったが、心臓移植再開からこれまでを振り返ってのコメントと、移植コーディネーターの育成では我々のこれから行う大学院申請においてその育成を視野に入れた教育課程を計画中であることを紹介しておいた。
中山太郎先生の議員生命をかけた臓器移植への情熱の源は何であったのか、具体的紹介は避けるが、国会議員として国の道作りである法律を作るという使命と遣り甲斐といったものがそこにあったことが、後の懇談会の会話で知ることができた。この7月から臓器移植の新しい時代に入るが、ガイドラインやマニュアル整備、関連する規定など、まだまだやることは残されている。

| ポーアイ便り::医療問題 | 12:55 | comments (x) | trackback (x) |
特定看護師制度、モデル事業へ
本日の朝刊に、医療の新しい職種、という記事が目に飛び込んできた。かねて注目していたNP(nurse practitioner)やPA(physician’s assistant)に関する厚労省の検討会、「チーム医療の推進に関する検討会」(永井良三東京大教授が座長)が意見をまとめた。看護師の医療行為や責任分担を現在より広め、新しい職種を作ろうという動きに厚労省も対応し、前向きなまとめである。現行法の医師の「包括的指示」のもと、侵襲性の高い特定の医行為を担う「特定看護師(仮称)」を創設するという。今後は大学院コースの選定など、モデル事業で進めるというものである。ただNPとは一気には持っていかずに特定看護師としているが、今後、資格化を検討するという。大分県立看護大学(草間学長)がこれまで先駆的に進めてきたNP養成コースがやっと認められてきた陽の目を得たのである。またPAについても検討を始める、ということで、今回のことは日本の医療に携わる専門職についての画期的な決断であり、医療崩壊、外科医不足などの背景があったが、座長の永井委員長は大変重要な役割を果たされたものと思う。
NPにはここでこれまで消極的に見えた日本看護協会が容認する意向であり、この点でも画期的である。ただ、相変わらず日本医師会が反対しているという。自分たちの権限を守ることばかりに凝り固まった日本医師会の視野の狭さは何としてほしいものである。
我々の大学院設置計画は新設なのでNPには入り込めないが、それでも開学以来これからのチーム医療の在り方、専門職の役割分担は、など議論してきたので、次のステップが見えてきた感じである。

| ポーアイ便り::医療問題 | 10:36 | comments (x) | trackback (x) |

  
PROFILE
  
  
CALENDAR
ARCHIVES
LINKS
OTHERS
POWERED BY
POWERED BY
ぶろぐん
SKIN BY
ゲットネット...¥