
リハビリテーション学部
理学療法学科1年生
熊 萌恵さん
祖父が入院中、理学療法士のケアに感銘を受けて理学療法を学ぼうと決意。理学療法学科に在籍する。香川先生は、チュートリアルの担任。
リハビリテーション学部
香川真二先生
病院で理学療法士として勤務し、本学へ。担当は、2年生の「義肢装具学」と3年生の「神経系理学療法」。本人曰く、「恋愛相談もどうぞ」。

香川先生 入学して半年が過ぎたよね。大学生活はどう?
熊 学校自体はすごく楽しいんですけど、授業についていくのが大変です。解剖学とか、暗記しないといけないことがいっぱいで…。これまでの授業は教科書通りに学ぶことがほとんどだったからか、実践ではなく試験を受けるための知識になりそうだと心配になることも。
香川先生 それは大丈夫。理学療法学科の指針は「問題解決型学習」で、知識は詰めこむためものではなく、使うためものだというのが僕たち教員の考えだから。心配しないでどんどん勉強してよ。今も少人数制のチュートリアルはやってるでしょう。5、6人のグループごとに、担当教員が提示した問題に取り組むってやつ。
熊 ああ、あれは面白いですよね!
香川先生 僕は、単位を取ることだけが目的なら授業に出席しなくていいよって学生に言ってる。テストの点数を稼ぐためだけの勉強も必要ないと思うよ。学生が実力を試される場所は、教室の中でなく患者さんの前であるべき。理学療法士になったとき、目の前にいる患者さんに何をしてあげられるかがいちばん大切なんだよ。
熊 先生の授業ではどんなこと教えてるんですか?2年生になったときの参考のため、教えてくださいよ。
香川先生 理想的なのは、10年後を見据えた教育。日進月歩だといわれる医療の世界でも、特に脳科学の進歩は顕著だからね。たとえば10年前は、手足が麻痺すると元には戻らないから、手足以外の残存能力を鍛えたり、装具で歩く訓練をするべきという考えが主流だった。それが今は、脳の神経もリハビリすれば回復する、麻痺も治せるはずだということがわかってきて研究が進んでいる。熊さんたちが現場の第一線で活躍するのは10年近く先の話なんだから、その時代の医療を予見して教えてあげたいね。

熊 うわ、夢が広がりますね。
香川先生 それに、教員は主観的な経験を学生に伝える必要があるとも思う。授業で客観的な事実だけを話されてもつまらないでしょ?
熊 たしかに。そういう授業は、想像するだけで眠くなるかも…。
香川先生 患者さんを前にしてめちゃくちゃ緊張したとか、こんな苦労があったとか、ものすごくやりがいがあるとか、そういうことを具体的なエピソードとともに教えてあげることも教員の役割。「僕の場合はこう対処したけど、あなたたちならどうする?」って。
熊 エピソード、聞かせてくださいよ。
香川先生 そうねぇ…。じゃあ、僕の患者だった男の子の話。今から10年前、理学療法士になったときに、当時6歳だった脳性麻痺の男の子を受け持ってたの。その子と10年ぶりに再会すると、もう16歳になっていて、昔は僕のこと「ウルトラマンのおにいちゃん」なんて呼んでたのに、今は「香川さん」になってるし。その後、介助の必要な身体なのに、ひとりで新幹線に乗って、僕に会いに神戸まで来てくれたときは感動したね。成長したなぁ、嬉しいなぁって、かなりグッときたね。
熊 めちゃくちゃいい話じゃないですか! 実は私、小児専門の理学療法士をめざしているので、本気でモチベーションが上がりました。先生の授業、おもしろそうですねぇ。授業中に眠ってる学生なんていないんじゃないんですか。
香川先生 でしょ? 僕もできることなら自分の授業に出席してみたいもん。でも、今日も義肢装具の授業で自分のエピソードを熱く語ってきたところなんだけど、みんな眠そうだったね(笑)。
熊 ……。
香川先生 僕もまだまだ大学の教員としては未熟だからさ。これから学生たちと一緒に成長していきたいと思ってる。いちばんの課題は、笑いのセンスを磨くことだね。
熊 2年生になって先生の授業を受けるのを楽しみにしています(笑)!
















