
医学・医療の高度化、分業化が進む現代において、患者を中心とした医療、また、全人的医療が求められています。
兵庫医科大学・兵庫医療大学では、そうした社会的要請をふまえ、「豊かな人間性」と「優れたコミュニケーション能力」を持った医学・医療のスペシャリストを養成します。
兵庫医療大学学長
松田 暉
医学博士。専門は外科。特に心臓外科医として長らく第一線で活躍。大阪大学医学部第一外科教授・同医学部附属病院院長などを歴任し、現職。
医科大学との連携教育の成果は、
卒業生が現場に出たときに
はっきりするでしょう
兵庫医科大学学長
波田 壽一
医学博士。専門は内科。特に肝胆膵内科。兵庫医科大学肝胆膵内科教授を歴任し、現職。
学生時代から他の専門職者と連携する大切さを理解し、それを前提に学ぶことは有意義

波田 現在、医療の現場には様々な問題があり、早急な対応が求められています。問題の根本にあるのは、端的に言って「医師不足」です。しかし、医師をすぐに増やすのは難しい。
松田 最近、医師不足問題が表面化してきていますが、元々日本では医師を含め医療専門職者の数は少ないのです。この点は、一般の方にも理解していただきたいですね。
波田 そこで重要になってくるのが医療専門職者の役割です。医師以外の医療専門職者、すなわち看護師や薬剤師、理学・作業療法士などが、これまで医師が行っていた仕事の一部を引き受けることで対処する必要があります。
松田 薬学部が6年制になったのは、臨床経験を積み、ベッドサイドに出て行って医師に代わって服薬指導を主なうなど、薬剤師がより患者さんに近い場で活躍することを求められた結果でしょう。
波田 また、医師、看護師はじめ医療専門職者が一体となって治療に当たる「チーム医療」が広く医療現場で求められています。
松田 兵庫医療大学では、将来チーム医療を担うことを考えて3学部合同で講義や実習を行っています。1年次の「早期臨床体験実習」は学生がスタートを切る上で有意義ですね。
波田 医師も他の医療スタッフも専門知識を持っているだけではダメです。どれだけ患者さんに安心を与えられるかなど、質の高い医療の提供には、他職種への理解が不可欠です。
松田 それぞれの医療専門職者が連携し、患者さんを中心に考え、質の高い医療サービスを提供する。それには、互いの職能についてよく理解するために優れたコミュニケーション能力が求められます。兵庫医療大学で行うグループ・ディスカッションを取り入れた学習などは、そうしたことを目的にしています。
波田 学生時代から他の専門職者と連携する大切さを理解し、それを前提として学ぶことは、とても有意義だと思います。互いの領域を知り、サポートの必要性や手法を学び、互いのよい部分を吸収する。そうした経験の有無は、将来、臨床の現場に立ったとき、大きな差となって現れるでしょうね。
松田 平成21年度から、兵庫医療大学3学部と兵庫医科大学医学部の計4学部合同によるチーム医療教育や臨床実習が始まります。その中心となるのが「医学・医療教育研修センター」です。2大学の連携による教育計画や臨床実習計画、それらの実施体制を整備するほか、卒後教育研修における連携も図っていく予定です。
波田 4学部の学生が一緒の寮に入って学生生活を送るなどがあってもいいかもしれませんね。
松田 すぐに実現するのは難しいでしょうが、クラブ活動や学園祭、討論会などでは、すでに交流が始まっています。
波田 熟練した技術と知識を有する専門看護師や専門薬剤師を擁する兵庫医科大学病院やリニューアルする篠山病院で臨床実習を行う意義は大きいと思います。特に、入学当初は他学部の学生さんに比べて臨床現場への意識が低い薬学部の学生さんにとっては、「クスリ」の先には必ず患者さんがいることを強く意識してもらえることと思います。

松田 専門職者の連携を重点にとらえた医療教育は、今まであまり実践されていなかったので、時代を先取りした取り組みとして、我々は力を入れています。卒業生が現場に出たときに、その真価がはっきりすると思います。
波田 楽しみですね。


















